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いざというときに、帰ることができるふるさと。心のよりどころ。
それがちょっと複雑なんです。今でこそ沖縄っていうとトロピカルな癒しの島っていう感じで受け止め
られていますが、私が高校卒業後上京した頃は全然違っていたんです。「あなた、沖縄の人なのにどう
して日本語しゃべれるの?」とか「沖縄出身なの?じゃあそれだけで、私の方があなたより上ね。」っ
て言われて、本当にショックでした。それで、恥ずかしい話なんですが、しばらくは「出身地は?」と
聞かれると「九州」って答えていたんです。今は「沖縄です」って言えるし、みんな「いいわね」って
言ってくれるけど、私にはどこかに昔の屈折した思いがまだ残っていて、沖縄がもてはやされる今の状
況を素直に喜べないんです。
それと、私も変わったし、ヤマトも変わったけど、沖縄も変わった!私はエイサーがものすごく好きで、
自分自身は踊れないんですが、それを見ながら育ったんですね。で、こちらで就職してずっとサービス
業でお盆や正月じゃない時期にしか帰れなくて、結婚して子供ができて初めて夏休みに沖縄に帰ったん
です。何十年ぶりでエイサーが見れるぞ、と思ってすごく楽しみにしていたのに、私が見たエイサーは
全然昔とは違っていたんです。衣装とか振り付けとかが派手なんです。それに、今は年がら年中エイサ
ーやっているでしょう?それも違う、と思うんです。今やっているエイサーを、私はパフォーマンス・
エイサーと呼んでいるんです。観光客の受け狙いなんでしょうが、私にとっては昔ながらの、お盆の時
しか見れないエイサーが、エイサーなんです。
チャンプルー精神で何でも取り入れるのがウチナーンチュの長所でもあるのでしょうが、昔ながらの形
で残しておいて欲しいものもありますよね。特に自然は残して欲しい。私の出身地の北谷なんて、帰る
たびに新しい道ができて、山が崩されていて、私は浦島太郎状態です。開発もいいけど、自然は残して
欲しいですね。
ちゃんぷるー:私はエイサーのない首里で生まれ育ったので、中部出身の夫と結婚し て初めてまともにエイサーを見て、「かっこいい!」と思っていたのですが・・・あれはパフォーマン ス・エイサーだったのですね。うーん、いろいろと考えさせられたインタビューでした。
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