今月のレビュー
このページでは、沖縄関連の本、音楽、コンサート、映画などを論評（レビュー）していきます。
今月は、ウチナーグチで一人芝居をしながら沖縄の笑いを全国に届けているうちな〜噺家 藤木勇人
さんの「ウチナーヤマトグチ」の本、ハイサイ!沖縄言葉―ウチナーヤマトグチ
| 先日とあるイベントで藤木さんご本人と話すチャンスがあり、握手までしてもらって感動のあ
まりつい買ってしまった本です。丁寧に「島肝」とご自身のサインもしてもらって、私にとっては
この本はちょっとした「家宝」です。実はＮＨＫの連続テレビ小説「ちゅらさん」に店長役で出演
されていた頃からのファンなのです。 藤木さんは私と同世代で、ウチナーグチに対する思い入れとかスタンスはとてもよく似ていて、読 んでいてそうそう、と同感したり懐かしく思ったり、とても楽しく読めました。私が那覇市出身で 彼が中部の沖縄市出身ということが影響しているのか、発音や語尾が微妙に違っているところもあ るし、「え？こんな言い方する？」と思った言葉もいくつかありました。でも、ウチナーグチと言 ってもそれぞれ育った地域や環境によって微妙に違いますし、彼自身が書いているように時代の生 き物でもあるわけで、違いや納得のいかない部分も含めて、気軽に楽しく読める本です。 |
この本を読んでいる間、くすくす笑ったり爆笑したりすごく楽しかったのですが、一番嬉しかった のは私が先日私のウチナーグチ考で確認を取ること が出来ず、おそるおそる紹介したんもーという言葉が、７３ページの「ゆんたくＣＯＬＵ ＭＮ」で堂々取り上げられていたことです。もう、「ヤッター！」と叫びたいくらいでした。彼も、 親に「はい、んもーして。」と言われておしりを拭いてもらっていたんだなあ、と思うと妙な親近 感がわきました。そう、藤木さんが独自に解説をしている「ゆんたくＣＯＬＵＭＮ」、 私のウチナーグチ考に通底するものがあり、かなり面白いです。
きちんとした方言辞典というわけではありませんが、おそらく私と同世代かそれより若いウチナーン チュには共感を持って楽しめ、ウチナーグチ初心者のヤマトゥンチュには気軽に読めて実践したくな る、良い入門書になるでしょう。肝心要のウチナーグチには（肝）、友達限定の言葉には（友）といった マークが付いていたり、巻末には品詞別やシーン別の言葉リストもついていて、ちょっと調べたい 時にも便利そうです。私はもちろん、私のウチナーグチ考 やメルマガのネタ帳として今後と も活用させて頂きます。
お値段も手ごろ、新書サイズで持ち運びにも便利、沖縄までの機中で読めてしまうボリュウムなので、 これから沖縄へ行こうというヤマトゥンチュの皆さんには、飛行機に乗る前に購入されることを お薦めします。
2/12/10
このページに関する要望、感想などはこちらへ
