Home>私のウチナーグチ考>サイトマップ

しまぞーり 私のウチナーグチ考 しまぞーり

1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、 両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思 い入れを紹介します。

第20回 遊びの中のウチナーグチ・その2

 その1では、幼児期から小学校の低学年の頃の遊びを紹介しましたが、今回はそれ以降の遊びを 紹介しましょう。小学校時代私が一番夢中になった遊びは、ゴム跳びです。低学年の頃はスカートの すそを足の付け根のパンツのゴムにたくしこんで、ブルーマーのようにしてゴム跳びをするのが流行 っていました。ゴムの位置が高くなると、申し出れば試しに跳んでみることができましたが、このと き片手を挙げて「ためーし!」と言わなければなりませんでした。高学年になると、いつでもゴム跳 びができるように、と言うより自意識過剰から、スカートの時には体育がない日でもスカートの下に 必ずブルーマーを穿いていました。

 放課後はゴム跳びや縄跳び、冬はセーターを鉄棒に巻きつけてその上に足を掛けて、ひたすらくる くる回って遊んでいましたが、帰りのホームルーム(「がっかつ」と呼んでいた)はたいてい仲良し のメンバーでどこで何をして遊ぶかでうきうきしていたのですが、ときどき男子が妙に暗く、不穏な 空気が漂っていることがあって、そういう時はたいてい砂場でオーエーがありました。今で 言うタイマンですね。そういうオーエーを重ねていくうちにクラスの、そして学年の1番 ちゅーばー(強者2番 ちゅーばー(強者が決まっていったのでしょう。男子 にはこのような序列があり、当然よーばー(弱者 と呼ばれからかわれる子もいたのですが、陰湿なイジメは無かったように思います。

 さて、小学校も高学年になると男子と女子はきっぱりと別々に遊んでいましたが、一緒に遊ぶとい うより、何となく女子の近くにいる男子は女めーさー(この女は、子供は「おんな」 と言っていましたが、大人は方言らしく「いなぐ」と言っていました)と言われていました。これ はちょっと説明するのが難しいのですが、何となく女子と馬が合う、話が合う男子のことで、決して 女々しい、あるいはオカマチックな男子のことではありません。が、女めーさーと言われるこ とは決して名誉なことではないので、そう言われた途端女子に近づかなくなる男子もいましたし、 全然気にせず相変わらず女子と仲良くする男子もいました。

 逆は男めーさー(この男も、子供は「おとこ」、大人は「いきが」)と言っていましたが、 女めーさーほどポピュラーではなかったような気がします。この男めーさーもお転婆 とか男勝りと言うより、何となく男子と仲が良い女子、という感じです。思春期になるとちょっと ニュアンスが変わってきて、男子の前でぶりっこする女子、という意味で使っていました。

 女めーさー男めーさーさーは、〜する人、という意味で英語のように 動詞もしくは名詞の語尾にerをつけていると考えられます。このような言葉で、子供同士でもよく使っていた ものに(めーないないさー(でしゃ ばり、目立ちたがり)、泣ちぶ(さ)ー(泣き虫)、( わらーさー(ユーモラスで人をよく笑わせる人、笑わせ屋)、ゆく さー(嘘つき)などがあります。

 これらのさーがつく言葉とは形が違いますが、子供を形容する、あるいは子供同士でよく 使っていた言葉にうーまくー(暴れん坊、やんちゃ)、しかばくー(怖がり)、 (あしばーがあります。遊ばー は、子供のうちは勉強もせず遊んでばかりいる子、という意味で使っていましたが、思春期以降は 不良、場合によってはヤクザという意味で使っていました。

 突然思い出しましたが、子供だけが使っていた言葉にまんぐー(ブス)というものもあり ました。これはいったいどこから来たことばなのだろう、と謎なのですが、ブスという感じはします ね。ブスと同じように、女子向けのことばです。こう言われた時には、やっぱり大いに傷つきました。

 こういうことを書くのは本当に楽しいですね。また思い出したら、その3を書きます。

4/02/08

しまぞーり ▲ページトップへ

このページに関するご意見、ご感想はこちらまで。

お名前:
メールアドレス:
ご感想:

HOME