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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

60.沖縄の日常

 真夏の暑い日でも、朝早く起きてレンタカーを借りて、北部までドライブして、誰もいないビーチ を探してスノーケリングを楽しみ、大好きなグスクへ行き、眺めのいいカフェで休む・・・そんな、 忙しくも楽しい沖縄の観光を楽しんでいた私ですが、琉球舞踊のコンクール前には観光をする時間も なく、また、観光をする体力も残っていなくて、お稽古までの間、ただぼーっと街を眺めたりお茶を 飲んだりしていました。で、私はとても重要なことに気づいたのでした。「沖縄の日常ってなんて暑 いんだろう」ということに。
 暑い中、今まではあちこち動き回り、せっかく来たのだから楽しまなくちゃと、太陽がじりじり照 りつける道を日傘もささずに歩いたり、一日のうちに海も山も両方楽しんだり、大忙しでむちゃくち ゃな観光をしていました。そして、「はあ〜、楽しかった!満腹じゃ〜!」といった感じを味わって いたのです。でも、今回、お稽古以外何もしない真夏の沖縄にいて、「沖縄に住むってことはこうい うことなんだ」と実感したのです。「観光」という目的がなく、今日しか行けないという期限もなく、 毎日を過ごす沖縄は相当暑い。毎日海に行けるわけでもなく、毎日眺めのいいカフェに行けるわけで もなく、毎日木陰で涼めるわけでもなく・・・暑くて一歩も外に出たくないし、電柱の細い陰に入っ て信号待ちをして、日傘も手放せなくて、おまけに働く・・・。むむ、これは本当に大変だぞ、でも これが日常で、「沖縄に住む」って、とても大変なことなんだなあと思いました。
 私は沖縄が大好きで大好きで、沖縄に住みたいと思ってはいましたが、自分が観光客として沖縄に 来て楽しみ、観光客として沖縄を愛しているだけなのではないか?沖縄の歴史を考えると住めないと 考えることもありましたが、どれもこれも沖縄のほんの一部であって、外から見た沖縄でしかないん だなあと思うと、なんだか罪悪感を覚えるほど、沖縄の日常はとても暑かったのでした。
 まあ、それもたったの7日間の出来事で、これが365日となるともっとグッとくる沖縄の日常が見え てきて、私の知らない沖縄があるのだろうなあと感じながら、大げさに「沖縄の日常は暑い!」と深 く考えた、今年の8月でした。いやいや、本当に、何もしない沖縄は暑かった・・・!

 

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