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応援団
寄稿]
沖縄
でーびる・その26
文・写真
稲福 達也
初めての味
私の年代の人は、復帰前の沖縄にはなくてヤマトに行って初めて食べた物がけっこうあった。初めて口
にする食べ物には失敗談がつきもので、大学の寮で先輩から食事を残してはいけないといわれて、
枝豆
を固いと思いながら
さやごと
食べた人もいれば、お洒落なレストランで
タバスコ
をケチャップと思ってスパゲティにたっぶり振り掛け、涙をこらえながら食べた人もいる。私は、
ざるそば
を周りの人の食べ方を観察してから食べたが、沖縄にはなかったラーメン屋では、チャーハンを
注文したら六角形の小皿に子供のお椀で盛ったような量で、何かの間違いではないかと唖然とした。沖縄
なら
焼きめし
の量はそれだけで満腹になり、スープだって付いていた。
逆に沖縄に来たヤマトゥンチュの笑い話も多い。今でこそゴーヤーは全国区になった
が、転勤族の奥さんが隣人から
苦瓜
と言われてゴーヤーを貰い
瓜
なら皮をむいて食べるのだろうと表面のブツブツを全部むいたら中からスポンジ(ゴーヤーの
ワタ
)がでてきて驚いたという話を聞いた。ある奥さんはとんだ勘違いをした。ある日、学生時代に交際
中だった夫がミンチ状の牛肉とジャガイモを混ぜた料理を作ってくれたが、特にジャガイモがすべて5ミ
リ程の
賽
の目にカットされていることにすっかり感心し、料理の腕もいいと思って結婚して沖縄に来た。暫
くして彼女はスーパーで“コンビーフハッシュ”という名の沖縄製の缶詰を発見した。感心したジャガイ
モもちゃんと入っていた。夫は、故郷から時々送られてくる缶詰を温めただけだったのだ。所変われば品
変わるというが、目にしたことのない缶詰のおかげで人生が変わった人もいたのだ。 |
沖縄ホーメル
“コンビーフハッシュ” |
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