私のウチナーグチ考
1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、
両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思
い入れを紹介します。
第5回 ゴミとチリ
昔どこかで沖縄の人は「ゴミ」のことを「チリ」と言う、変だという話を聞き、そうか、子どもの
頃 ゴミ捨て場のベニヤ板に「チリ捨て場」と大書してあったのはウチナーヤマトグチであったか、と
納得したのでした。そして東京に出てきて「チリ捨て場」「チリに出す」とは言わないように気をつけ
よう、と思っていたのですが...
前回紹介した、私が「アイッ」と叫んで周囲を驚かせた都内の某企業でのこと。お昼休みにデザート
に食べたチョコレートについていた可愛いリボンを指差し、女子社員に「荻堂さん、これどうする?」
と聞かれて、「う〜ん、可愛いけどチリ箱に入れておいて。」と答えてしまったのでした。その
女子社員をはじめ、周囲にいた女の子たちが爆笑したのは言うまでもありません。チリ箱というウチナ
ーヤマトグチがあったか、不覚をとった、と後悔しましたが後の祭り。
でも、「チリとり」はありで、何で「チリ箱」はだめなの?とも思うのです。「チリとり」ではゴ
ミも取るでしょうに。この話をご主人の転勤で沖縄で3年間暮らしたことのある埼玉出身の知人にする
と、「昔はこちらの人もそう言っていたのよ。沖縄には昔の言い回しや言葉が残っている感じがしたわ。
」と言っていました。ちなみに彼女は沖縄のスーパーで店員に見当たらない商品があるかどうか尋ねた
時、「ちょっと、倉庫の方探してみましょうね。」と言われて「何で私も一緒に探さなきゃいけないの
。」と頭にきたそうです。
そう、「むちゃむちゃ」の感想のところで「のり」さんが指摘しているように、沖縄の人は自分だけが
行うことに対して「〜しましょうね。」とよく言うのです。自分だけ早退するのに「先に帰りましょう
ね。」、自分が迎えに行く相手に対して「迎えに行きましょうね。」本当にヘンですが、前述の知人は
「〜しましょうね。」と言う表現は「慣れると、すごくやさしい、相手を思いやっている感じがした。」
と言っていました。
さて、昔はヤマトゥンチュもゴミのことを「チリ」と言ったり「〜しましょうね。」と言ったりして
いたのでしょうか。ヤマトゥンチュのご意見をお待ちしています。
このページに関するご意見、ご感想はこちらまで。
|