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しまぞーり 私のウチナーグチ考 しまぞーり

1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、 両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思 い入れを紹介します。

第44回 ねーねー

前回は沖縄のどちらかと言えば伝統的なお菓子について書いて、今回は沖縄の洋菓子事情というか、高 度成長期に沖縄のお菓子の流行がどう移り変わっていったのか書くつもりでしたが、愛さ、沖縄ねーねーに触発されて、私もねーねーについて書くことにしました。

まきこさんの意見に全く同感で、とりわけ、『もしかして、沖縄には「おばさん」という声のかけ方はない のかもしれないな。』に、そうかも〜!と思ったのでした。で、考えてみると、私も沖縄の市場(まちぐゎー) で買い物をすると、おばさんではなく、「ねえさん」と呼ばれます。稲福達也氏の人気コラム チャービラサイの第一回のトビイカでも、同氏の奥様がイカを売っているオバアに「ネエサン」と 呼ばれています。思うに、沖縄では自分より年上の女性に対し、子供ならねーねー、大人の女 性が名前も知らない女性に呼びかけるときは、年下か年上かにかかわらず、ねえさんを使う のではないでしょうか。

そう、沖縄には私やまきこさんの神経を逆なでするような、「おばさん」という呼びかけ方がないのです。 もちろん、血のつながったおじさん、おばさんは、そう呼びますが、他人の大人にそう呼びかけることは、 こどもならあるでしょうが、大人同士なら、まずないですね。大人の男の人なら、「おじさん」ではなく、 にいさんと呼びかけられるはずです。

なので、まきこさんが推測している通り、ねーねーねえさんが使われる年齢の幅は非常に 大きいのだと思います。いくつになっても、おばあさんから見たら自分より年下ならねえさんと 呼ばれることでしょう。なので、なるべくねーねーでいようと努力する必要はないはずですよ、 まきこさん。でも、そういう老け込まないように若々しくあろうとする努力は大切だと思います。

ねーねーと言えば、大学に入学してオリエンテーションの時に、年は少し上でしたが、同級生の男子 学生に「ねーねー達は、どこの高校出身?」と聞かれてびっくりしたことがありました。親戚でもない、 同年代の人にねーねーと呼ばれたのは初めてだったのです。私の育った地域ではそうでもなかった と思いますが、年頃の女の子に男の子がねーねーと呼びかける地域もあるのでしょう。昭和な感じが しますが、「お嬢さん、お茶でも一緒にどうですか。」というナンパの常套句も、沖縄なら「ねーねー茶小(ちゃーぐゎー)でも飲まないね?」になるかも しれませんね。

そう言えば以前、まきこさんほどではないけれど沖縄にはまっている若い男の子に、「お姉さん」と呼ばれて、 あ、この子結構私に気を使っているな、と感じたことがありました。もう立派なおばさんなので、そう呼ばれても それほどむっとしませんが、やっぱり「お姉さん」と呼ばれたらほんのり嬉しい。「おばさん」と呼ばれると、 悪いイメージもあるのにそう呼ぶ人の配慮のなさ、無神経さにむっと来るのかもしれません。

沖縄ならねーねーで簡単に解決するのですが、ヤマトでは若くない女性をどう呼べばいいんですかねぇ。 自らを還暦女子と呼ぶ強者もいるようですが、私は自分を女子と呼ぶのは、ちょっと気が引けます。ときどき、 「奥さん」と呼ばれることもありますが、結婚してても何だかいやな感じです。独身女性ならもっとイヤ でしょう。すっかり標準語に定着した感のあるごーやーめんそーれーのように、ねーねー も、その使い方も含めて定着し、「おばさん」を駆逐してほしいですね。

11/20/12

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