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私のウチナーグチ考
1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、
両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思
い入れを紹介します。
第42回 ウチナーンチュしか使わない標準語
今回は性格にまつわるウチナーグチをご紹介しようと思っていましたが、なんだか茫漠としていて気分が乗らないので、
最近ちょっと気になっている、ウチナーンチュしか使わない標準語、ウチナーヤマト口ともちょっと違うことば
をご紹介しようと思います。
まず初めに、5月18日付のメルマガちゃんぷるー通信
で紹介した取り勝負。これは、方言のとぅいすーばーけー(奪い合い)から来ていて、とぅい
は取り、すーばーけーはすーぶ勝負が変化した形なので、直訳して取り勝負、ということ
なんだと思います。これは立派な標準語ですが、「椅子取り勝負」とか「ボール取り勝負」とか、普通は勝負の
対象となるモノが頭に付いています。「取り勝負」単独で使っているのはウチナーンチュだけではないでしょうかねえ。。。
次に気になっているのが、「お家」という言い方。これも標準語ですが、単に家
と言えばいいところを、わざわざ「お」を付けて「お家」
というのも、いかにもウチナーヤマト口っぽいんですよね。沖縄出身のタレントがインタビューで、他は
完璧な標準語なのに、「お家はこの近くだったんです」
などと言っていて、「あ、ウチナーンチュらしい!」と思ったのでした。お家
という言い方はいかにも幼稚な感じがして、大人の女性が公の場で使うのに違和感を感じますが、沖縄では
いい年をしたオジイでも、「お家に帰りましょうね。」
などと言っていたような気がします。
〜だはずっていうのも、ウチナーンチュが多用することばじゃないかな、と思います。「そうだはず」とか、
「だーるはずよ」とか。ウチナーンチュ以外の人が使っているのを聞いたことがないのが、「いいはずよ」
という言い方。これは女子の間でよく使いますね。「昨日彼氏に食事おごってもらったさあ。」「あい、いいはずよ。」
と言う具合。あら、いいわね、羨ましい、というニュアンスです。日常的に本当によく使っていたのですが、
中学の時の英語教師が「いいはずよ」というのはおかしな日本語である、自分は女子がそんな言葉を使って
いるのを聞くのが大嫌い、と力説していて、へえ、と思ったのでした。なぜおかしな日本語かも説明していたような
気がしますが、それは全く覚えていなくて、そう言えばテレビドラマなどでヤマトゥンチュがそんなセリフを
言っているのを聞いたことはないなあ、と感心したことを覚えています。
最後にご紹介したいのが、沖縄のおばさん独特の言い回し、だからよ〜。これも、日常よく耳にするので
変だと思っていなかったのですが、数年前に沖縄のお笑い芸人が漫才で面白おかしく取り上げていて、そう言えば、
ヤマトにはこんなことを言うおばさんはいないなあ、と思いました。漫才は、こんな調子です。
スーパーの客がお店のおばさんに対し、
「おばさん、このパン、カビ生えてるよ。」
「だからよ〜。」
苦情を訴えているのに、こう言われてしまうと、何だかお店のおばさんも同じ被害者?のような感じで、テンションが
下がります。責任をうまく回避する、沖縄のおばさんの高等テクニック?かもしれません。可笑しくて、傍で
聞いている分には面白いのですが、実際自分が母親や義母などに苦言を呈しているときに「だからよ〜」と
返されると、ちょっと力が抜けて、腹立たしい気分になります。なので、私も沖縄のおばさんですが、あまり
使わないようにしています。
このような、標準語なんだけど沖縄独特の不思議な言い回し、また思いついたら書きますね。
5/30/12
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