Home>私のウチナーグチ考>サイトマップ
![]() ![]() 1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、 両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思 い入れを紹介します。 第19回 カーギあれこれ
巷でNHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」が話題になった頃、よくヤマトゥンチュに「荻堂さ
ん、ちゅらさんて美人という意味よね」と言われました。大抵そうだ、と答えていましたが、厳密に
言うとちょっと違っていて、美しいという意味です。その頃を境に「
では、美人というのはウチナーグチで何というのでしょうか。同じように「ちゅら」がつきますが、
「
カーギと言えば、昔久々に訪ねて来た祖母の友人にお茶出しした時、「直美ちゃん、ちゅらかーぎ
ーになったねえ」と言われて一瞬大喜びしたのですが、すかさず祖母が「
美人がもてはやされるのは沖縄でも同じで、恋人の条件に美人であることを求める人(主に男の人
ですね)を「かーぎ んじゃー」(顔を見る人)、「かーぎ
その母がよく言っていたことに、「かーぎ 美人と言えば、某県立高校で補充教員をしていた頃、授業参観にものすごい美人のお母さんが来る、 というので、男の先生達が色めき立っていたことがあって、新入りの私が「え?誰のお母さん?」と 聞くと、A子の母親だと言います。でも当のA子は美人というわけではなく、ごく普通の女子生徒。 おかしいなあ、と疑問に思いながらやがて現れたA子の母親を見ると、噂に違わぬ美人でした。そし て、それなのに娘のA子に親子らしく似ているのです。ううむ、と思いながら見ていると、社会科の 年配の男の先生が「にいやんとーさやー(似そこなったんだね)」とつぶやきました。
そういうことなんだな、そういう言い方をするんだな、と感心しながら、その先生に「その通りで
すね、では逆に、親に似ているけど、親よりずっときれいな場合は方言で何と言うのですか。」と質
問しました。その先生は首里出身で同じ 数日後の朝礼で、その先生はつつつ、と私に近づき、「先生、この間の話だがね、」と 話し始めました。何だったかなあ、と思っていると、「親にそっくりだけど、親より美人というときは ね、『にーまし』と言うよ。」初めて聞く言葉でした。漢字で書くと「似増し」です。周辺の私より 年上の先生達にとっても耳慣れない、でも納得の言葉だったようで、しばらくなるほどね、さすがですね、と方言談 義に花が咲きました。首里人のその先生の面目躍如、という感じでした。 あれから20年以上経ち、もはや自分のカーギは全然気にならない年になってしまいましたが(その点で年を取るのは素敵な ことだと思います)、チムグクル(心)は死ぬまで磨いていかなければ、と思っています。 10/12/07 ![]() このページに関するご意見、ご感想はこちらまで。 |