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しまぞーり 私のウチナーグチ考 しまぞーり

1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、 両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思 い入れを紹介します。

第12回 華やかな擬音・擬態語 

 ウチナーグチに対して思い入れがあるから、ウチナーグチが好きだから、ときどきこのようなコラム を書いているわけですが、ウチナーグチのさまざまな要素の中で、おそらく一番好きな要素は擬音・擬 態語です。標準語に比べて数も多く、音もかなりユニークなのでは、と思っています。そしてその発音は ヤマトゥンチュにとってかなり難しいでしょう。今回は、そんなユニークでどこかユーモラスな擬音・ 擬態語を見ていきましょう。

 今一番よく知られているウチナーグチの擬態語は「涙(なだ)そうそう」でしょうね。このような 名詞+擬態語の組み合わせはよくあるパターンで、私のお気に入りでよく使うのが「短気(たんち) ぷーぷー」。標準語で言えば、ぷりぷり怒っている、ということです。あの人、どんな様子だった? と聞いて、答えが「短気ぷーぷーそーたん」だったら、不機嫌で怒りっぽかった、ということです。 音がユーモラスなせいか、それを聞いて恐いから近寄らないでおこう、とは思わず、どんなに不機嫌か 見てみたくなるのは、私だけでしょうか。 

 同じく名詞+擬態語には「歯(はー)ぎしぎしー」(歯がゆくてやり切れない感じ)、「咳(さっく ぃー)オホオホ(またはクェンクェン)」(ゴホンゴホン咳をする様子)、「太陽(てぃーだ)くゎ らくゎら」(お日様がカンカン照っている様子)などがあります。これらに似ていますが、名詞ではな く述語に同じ音節を2つ重ねたものが、まんでぃぐゎじゃぐゎじゃ(うじゃうじゃいっぱいある様子 )、泣き(なち)うぇーうぇー、など。  

 このコーナーの第2回目に取り上げた「むちゃむちゃ」の元の擬態語であろうと思われる「むっちゃ いくゎったい」(べとべと、ねっとりしているしている様子)のように、最初の子音をちょっと変えて 重ねた擬態語もたくさんあります。例えば2年前に感想メールで神戸のレバンテさんが取り上げていた 「たっくゎいむっくゎい」(べたべたまとわりつく様子)。「よーがりひーがり」(よーがりとーん、 が痩せているという意味。なので、これはガリガリに痩せている様子)、「ごーぐちはーぐち」(ごー ぐち、は小言。がみがみ小言を言う様子)。「あやがちこーがち」なんていうのもあります。これは標 準語には無いと思うのですが、色や柄がムラになっている様子を指すことばです。赤いシャツと白い肌 着を誤って一緒に洗濯して、白い肌着にピンクの模様があちこち入っていたら、間違いなくオバアに「 あやがちこーがちしているさあ。」と怒られるでしょう。

 私にとって擬態語の極めつけは「とぅんとぅるもーかー」。たとえ意味は分からなくても、笑えるこ とばだと思いませんか。小躍りして喜ぶ様子を表すことばです。似たようなことばに「うっさーくーじ ゃー」もありますが、「とぅんとぅるもーかー」の方が喜びが大きそう。私はこれに相当する標準語を 知りません。もしあるのなら、是非教えてもらいたいものです。 

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