私のウチナーグチ考
1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、
両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思
い入れを紹介します。
第11回 新鮮!ウチナーヤマトグチ
今年5月まだ某企業で派遣社員として働いていた頃、親戚のみいちゃんが同じく派遣社員で入ってき
ました。全くの偶然でお互いびっくり!でその顛末はメルマガで紹介したのですが、そのみいちゃんは
「ことばで沖縄の人と言われることはないんだ。」と豪語していました。でも東京暮らし17年目の私
から見ると甘い、甘い。一緒にお昼を食べている時など、出てくる出てくる、沖縄語。今回はそんなみ
ーちゃん発おもしろウチナーヤマトグチを紹介します。
ヤマトゥンチュの同僚一人を交えて私、みいちゃんの3人で今朝朝食に何を食べたか、という話をし
ていた時のこと。くだんのヤマトゥンチュが朝食はパンだった、と言うとみいちゃんすかさず「からパ
ンじゃないでしょ。」これに対しそのヤマトゥンチュは「ううん、トースト。」と返したので、私は思
わず「ねえ、今『からパン』て、何のことか分かった?」と聞いてしまいました。そうしたら案の定「
いや、分からなかったけど、トーストじゃないなと思って適当に答えました。」という返事。「からパ
ン」かあ。何年ぶりに聞いた言葉でしょう。
子供の頃、よく聞いたこの言葉は、現在東京で耳にしません。「からパン」とは、バターもジャム
もついていない食パンのこと。子供の頃、ずぼらな私が食パンに何もつけずぱくついていたりすると、
母は呆れて「女の子なのにからパン食べて・・・」と言っていたのでした。
またある時、独身のみいちゃんともう一人の社員が結婚相手として「長男は敬遠したい」というような
話をしている時、「トートーメーのこともあるしね。」とみいちゃん。私はすかさず「あ、トートーメ
ーっていうのはえーっと、こちらで言う位牌のことで、沖縄では特に重要視されていて、トートーメー
のある家の長男の嫁ともなると、そのお世話も結構大変なのよ」と解説。
みいちゃん、やっぱりウチナーグチがぽろっと出るねえ、と茶化したら、陽気でどこまでも前向きなみ
いちゃんは次の話を披露してくれました。
テニス仲間とテニスをしている時、狭い通路で別の女の子とぶつかってしまったみいちゃん、冗談ぽく
「ごめんね、チビが大きくて。」と言ったら言われた人はわけが分からなくてしばらく無言だったそうで
す。チビというのは、ウチナーグチでおしりのこと。普通は体の小さい人のことだから、わけが分からな
いのは当たり前ですね。笑わそうと思ったのに何で笑わんかなあ、と思ったさあ、とはみいちゃんの弁。
そのみいちゃんは私より早く、会社の雰囲気になじめず3ヶ月で辞めてしまい、私も風の駅を開店させる
のに忙しく連絡を取っていません。まだ東京で頑張っているのかしらん、今度メールでもしてみようかと
思っています。
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