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[ちゃんぷるー・どっとこむ応援団
寄稿]
チャービラサイ/2011.清明祭の頃
Good-bye Wave
チャービラサイ、荻堂さん。大震災から一月が過ぎましたが、東京でもまだ不安な日々だと思い
ます。3月11日の大地震の時刻には、僕はちょうど羽田行きの飛行機に乗っていて、滑走路の点
検をして飛行機は着陸できましたが、その日は空港の到着ロビーで一夜を明かしました。携帯電話
が不通で情報がなく、大震災の状況を知って愕然としたのは翌朝でした。沖縄に帰るJALの機内
で、機長が「自分は人と物を運ぶ仕事しかできませんが、この震災のために自分にできることは何
でもしたいと思うので、何かあれば言って下さい」とアナウンスしていました。それは、マニュア
ルではなく、機長の人柄があらわれたもので、それを聞きながら、僕も自分の立場でできる支援を
しようと考えました。
ところで、飛行機のマニュアルといえば、最近、元ANAの客室乗務員が飛行機
でのエピソードを綴った『空の上で本当にあった心温まる物語』という本で、「Good-bye Wave」(
グッドバイ・ウェーブ)の話を知りました。「Good-bye Wave」 というのは、飛行機が離陸するとき
整備士が手を振りながら見送ることで、空港でよく見る光景です。それは、1973年頃に那覇空
港で沖縄出身のANA整備士Mさんが始めたもので、那覇空港に配属されてきた後輩整備士K君が、
Mさんから 「沖縄に行ってよかったね、楽しい思い出になったねって、思ってほしくて、
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沖縄−羽田線から見える富士山 |
その気持ちを伝えたくて手を振っているんだ。 時々機内のお客様が手を振り返してくれるのが見え
ると、 すごくうれしいんだよな。俺たちが整備した飛行機に乗っているお客様から手を振ってもら
えるなんて、幸せなことだと思わないか?」 という話を聞いて感動し、自分も同じ気持ちで手を振
って見送るようになり、それはやがて整備士の間でどんどん広まっていって、いつしか「Good-bye
Wave」と呼ばれて、今では世界中の空港で当たり前の光景になったものだそうです。一人の整備士
が始めた規定やマニュアルにも書かれていない行動が、 多くの人の共感を得て世界中に広がった、
というこのエピソードを紹介して、著者は、 「自分で気づき、考え、動くことが大事」とコメント
に書いていましたが、それにしても、その整備士がウチナーンチュだったということは、なんとも
うれしい話です。
荻堂さん。被災地の支援のニュースを見ていると、 行政が規定やマニュアルにとらわれて支援が
遅々として進まないのではないか、と情けなくなることがありますが、一日も早く安心して生活で
きる日が来ることを願っています。
4/21/11
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