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[ちゃんぷるー・どっとこむ応援団(チバリヨー) 寄稿]

チャービラサイ/2013.ハーリーの頃

文・写真 稲福 達也

ジョートー(上等)

  チャービラサイ、荻堂さん。沖縄ではハーリー鉦(かね)がなると梅雨が明けるといいますが、もう各地で漁 の安全と豊漁を祈願する伝統行事のハーリーの季節です。
 
街はすっかり夏模様で、僕もかりゆしウェアで仕事をしていますが、先日那覇市立病院に定期 検診に行ったときのことです。待合室のベンチに腰掛けると、ものの数分もたたないうちに隣のオバサンが僕のか りゆしウェアを指さしながら話しかけてきました。
 「これは紬(つむぎ)ねえ?ジョートーだねぇ・・とってもジョートー(上等)さぁ。どこで売っているねえ?」
 どうやら僕のかりゆしウェアの柄(がら)を紬と勘違いしていたようですが、僕が「これは紬のようなデーダカー (高価)ではなくデーヤシー(安物)ですよ」と答えたとき、ちょうど僕の側を同じ柄のかりゆしウェアを着た人 が歩いて行きました (^^;) かりゆしウェアって同じ柄の人に会うことがあるんですよね。
かりゆしウェア
かりゆしウェア
 それにしても沖縄では、そんな風に知らないオバサンが突然話しかけてくることはよくあることです。僕の知人 の女性は、やはり病院でこどもを抱いて診察を待っていたら、見知らぬオバサンが「あんたのこどもの抱き方は間 違っているよぉ。だあ(ほら)、 その子を貸してごらん。 こんなする訳さぁ」と言って、子どもの抱き方を教え られたそうです。その子は末っ子で、彼女は外に3人の子がいる母親ですが、そのオバサンに丁寧にお礼を言った とか。
 そう、そう、沖縄では、私に話しかけたオバサンのように、 「ジョートー」 という言い方もよくします。 僕も上 海へ旅行に行ったとき、現地ガイドに上海の夜景はどうかと感想を訊かれて「ジョートー」と答えたことがありま す。 そしたらそのガイドは沖縄からのツアーをよく担当しているようで、「沖縄の人は、ワンダフルをジョートー というんですよね」と言い、上海雑伎団を見た翌朝には、僕の顔を見て 「ジョートーだったでしょ?」 と笑ってい ました。
   荻堂さん。いつもの街の風景にいつもの夏の日射しが降り注いできましたが、街の片隅にはいつものウチナーン チュの人情があります。それではこの夏も元気に過ごしましょう。

06/17/13



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