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[ちゃんぷるー・どっとこむ応援団(チバリヨー) 寄稿]

チャービラサイ/2013.晩春

文・写真 稲福 達也

サーターアンダーギー

  チャービラサイ、荻堂さん。ご無沙汰しているうちに季節も変わってしまいました。
 
最近の僕の生活で変わったことは、ラジオ 体操を始めたことと月刊の『ラジオ深 夜便』を読むことです。その雑誌は、NHKの深夜 放送「ラジオ深夜便」を採録したもので、たまた ま本屋で立ち読みしたらインタビューな どが面白かったのですが、中高年に人気がある番組だそう ですから、やはり僕も中高年の 仲間だということでしょうか。放送を聞くことはありませんが、沖縄 で一月にリスナーのための「ラジオ深夜便のつどい」という催し があったので、それにも応募して 行きました。 そして、ものはついでと、先月は「NHKのど自慢」の観覧者募集にも応募したので すが、 これは抽選に外れました。その通知の返信葉 書には2000通を超える申し込みがあった と記されていて、さすがに国民的番組の「NHKのど自慢」は沖縄でも人気があるのだと 知った次 第です。そんなことからNHKのこ とが何かと目につくようになりました。先日はNHK沖縄に、 おばぁがお茶の間でテレビをみているときにサーターアンダーギーから生まれた「さぁたぁちゃん」 というマスコッ トキャラクターがあることを知りました。
 サーターアンダーギーといえば、そのルーツは中国の「開口笑」という菓子で、揚げる時に出来る裂 け目が、あたかも人が口を開けて笑っているように見えるところからついた名前だそうです。僕は、 横浜中華街で「開口笑」を食べたことがありますが、見た目も味もサーターアンダーギーに良く似て いました。ただ、尖閣での中国の最近の行動を見ると、どうもこの頃はその「開口笑」の「笑」は「 嘲笑」の「笑」のように感じてしまいます。それに対抗して、沖縄ではサーターアンダーギーのこと を漢字では「開口怒」としたらどうか。そんなことを考えていたら、今度はニッポンの政府が4月2 8日(沖縄の現状を招いたサンフランシスコ講和条約発効日)に戦後の主権回復の日として祝賀記念 式典をするのだとか。沖縄の新聞にはその式典のことで古老のこんな話が載っていました。「沖縄は、 日本という親に『糸満売り』(前借金と引き換えに子どもを糸満の漁師のもとで年季奉公させること) に出されたようなもの。昔はここらでも『糸満売り』がよくあった。だが、子どもを売った親は涙を 流す。お祝いしようなんていう親はどこにもいないよ」
さぁたぁちゃん
さぁたぁちゃん

さぁたぁちゃん

 荻堂さん。この頃の僕にはもうサーターアンダーギーは怒りの拳にしか見えません。しかし、『ラ ジオ深夜便』の五月号には、プロ・ナチュラリストの自然保護の話として「声高に保護を叫ぶより、 自然を愛する人を増やした方が早道かもしれない」というのがありました。なるほど、それも一理あります。も しかして、ウチナーを愛する人を増やしていくために、NHK沖縄は、サーターアンダーギーを可愛 らしい「さぁたぁちゃん」に変身させたのでしょうか?

04/28/13



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