[ちゃんぷるー・どっとこむ
応援団
寄稿]
沖縄
でーびる・その4
文・写真
稲福 達也
亀甲墓の招き
面白いヤマトゥンチュが入社したので紹介すると友人から食事に誘われ、そのKさんに会った。彼女
は、話にたがわず風変わりで、初めての沖縄旅行で見た亀甲墓の雰囲気に何故かいたく感動し、死んだ
ら亀甲墓に入りたいという思いが日々募って、ついに周囲の反対を押し切り故郷を出てきたらしい。そ
んなKさんを友人は”
出会えば兄弟
”と可愛がり、時には悪戯もするようだ。ある日、会社で使う漆器を彼女に買いに行かせ、代金を支払
う時に方言で「シーブンはないですか」と言えと指示した。意味は話せば店員がわかると言われて、K
さんが店でその通りに告げると、店員が唖然とした顔で店長を呼んできた。シーブンというのは
市場
などで肉や野菜を秤で相対売りする時に副えてくれる”おまけ”のことだから、漆器店の店員だけでな
く他の客が目を丸くしたのも無理はない。しかし、彼女は自分の方言の抑揚が間違ったのかと思い、今
度は店長に調子を変えながらシーブンと繰り返した。すると笑った店長が「これがシーブンです」と塗
り箸を一組渡してくれた。
そんな悪戯の顛末を笑いながら、彼女は、沖縄の人はその店長のようにやさしく、スーパーなどでは
味わえないシーブンのやりとりも自分を招いた亀甲墓のようにいつまでも残して欲しい、と話していた。
Kさんに会ったのは清明祭の頃で、もう旧暦7月15日の旧盆も近い。友人から彼女が憧れの亀甲墓に一
緒に入る人に巡り会ったという知らせはまだ来ない。
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「Kさん」こと黒島さんから次の感想が寄せられました。08/11/03
稲福先生、どうもありがとうございます!!私は未だに素敵な男性に恵まれず・・・休日は1人楽しく
海水浴をしています(^-^)v
ちゃんぷるー:早く巡り会えるといいですね!
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