[ちゃんぷるー・どっとこむ
応援団
寄稿]
沖縄
でーびる・その10
文・写真
稲福 達也
珍説・市民憲章
那覇市役所の構内の一角に、1964年に制定された市民憲章を刻んだ小さな碑がある。これまで市民憲
章に何の関心もなかったが、たまたまそれを読み、その中に、私たちは時間をまもりましょう、とある
のは、ウチナータイムに関係があるのではないか、と
閃
いた。県外の市民憲章でも同じように、時間を守りましょう、と呼びかけているだろうか?少
し好奇心が疼いて調べてみると、九州7県95市のうちそれは僅か7市しかなく、そのうちの4市が沖
縄県だった。そこで勝手に解釈したことは、それは、沖縄には悠然と時間に遅れるウチナータイムがあ
り(宮崎にも
日向
時間というのがあるらしいが)、それを悪習として改めようとしたことを反映したもので、那
覇市民憲章は、その悪習を内外に知らしめ、時間を守りましょう、とおよそ40年間も市民に呼びかけ
続けている、ということだ。そう考えると、味気ない市民憲章さえ沖縄はユニークなのだと、可笑しみ
を感じてくる。
ある人が、ウチナータイムは悪習ということに対して「相手を待たせるのがウチナータイムではなく
、相手を待つ気持ちこそがウチナータイム」と痛快に反論しているが、この頃は
巷
では、その悠長さも生活の様式の変化で時のかなたへ消え去りつつある。しかし、ウチナータ
イムがなくなれば、那覇市民憲章のユニークさも色褪せてしまう。それならいっそ戦災を受けた県都に
ふさわしく、もうその部分は、私たちは平和を守りましょう、とでも変えて欲しいものだ。
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