Home>今月のレビュー>サイトマップ


今月のレビュー

このページでは、沖縄関連の本、音楽、コンサート、映画などを論評(レビュー)していきます。

今月は、第一回目のレビュー「うりずんの唄会」で取り上げた歌手古謝美佐子のアルバム天架ける橋 を取り上げます。 

曲目リスト
1. サーサー節
2. 橋ナークニー〜夢かいされ
3. 天架きる橋
4. 童神
5. すーしすーさ
6. やっちー
7. 恋ぬ初み
8. 家路
9. 恨む比謝橋
10. ヒンスー尾類小

前回のナビィの恋で沖縄に目覚め、さらに沖縄の音楽に対する意識を覚醒させてくれたのが、こ のアルバムです。「うりずんの唄会」でも書きましたが、私が長年好んで聞いてきた西洋の音楽と沖縄 音楽が幸せな出会いを果たした、という感じで、最初の「サーサー節」が弦で始まり、古謝美佐子のボ ーカルがかぶった瞬間に感動でキーブルダチャー(身の毛が立つ)しました。音楽を生演奏ではなくC Dで聞いてこんなに感動したことは、おそらく後にも先にも無いと思います。

昨今あまりにも商業主義的に安易に使われる「癒し」という言葉が嫌いな私ですが、このアルバムには 本物の音楽だけが可能な「癒し」の要素が詰まっているように思います。古謝美佐子の 公式サイトインフォメーションでは、「古謝美佐子の声や音楽には『免疫力向上の成分が含まれて いること』が実験の結果わかり、『声質として何万人に一人の超音波レベルの声を持っている』ことや 『歌手にはきわめて珍しい古謝美佐子だけの『周波数ゆらぎ』が観測』されました。その結果、古謝美 佐子の歌を聴けば、免疫力が向上すると共に、安眠効果や体内活性効果などが期待されると言うことで す。」と紹介されています。健康雑誌「壮快」2005年11月号にその実証データも掲載されているそうで す。科学的な根拠はともかく、多くの人が「童神」に癒されると感じるのは、確かではないでしょうか。 ここで我が夫のことばを引用するのは癪なのですが、「アメージング・グレイスに勝るとも劣らぬ名曲」 とは言いえて妙だと思います。

「自伝的アルバム」として紹介されることも多いこのアルバムで、5曲目の「すーしすーさ」では、子 供の頃の古謝美佐子(男の子の声!でも超うまくて、天才だったんだなあと納得)と現在の古謝美佐子 がデュエットする、という面白い試みも見られます。また、「恋の初み」や「ヒンスー尾類小」は民 謡歌手としての古謝美佐子の面目躍如、という感じで楽しめます。特に「恋の初み」の「あきさみよ〜、 ちゃーすがやー、恋の初み(あらまあ、どうしましょう、恋の始まり)」と繰り返し歌われる部分は、 妙に耳に残って思わず口ずさんでいることもありました。

ナビィの恋で山里勇吉が歌う「ロンドンデリーの歌」同様の、沖縄音楽と西洋音楽の見事な融 合と言える名曲が、8曲目の「家路」です。個人的には「童神」より好きかもしれません。ドヴォルザ ークのメロディーなのに「ちんぬくじゅーしー」の世界を想起させる(少なくとも私には)なんて、す ごい、の一言に尽きます。

ハードロック、ジャズ、ポップス、歌謡曲、さまざまな音楽が大好きな私ですが、死ぬ前にはやっぱり バッハを聞きたい、と長らく思っていました。でもこの天架ける橋もいいなあ、思う今日この 頃です。あの大バッハと古謝美佐子を天秤にかけるなんて、やりすぎ?いえいえ、やっぱり私はウチナ ーンチュなのだと思います。 5/23/06

このページに関する要望、感想などはこちらへ

お名前:
メールアドレス:
ご感想:

HOME