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今月のレビュー

このページでは、沖縄関連の本、音楽、コンサート、映画などを論評(レビュー)していきます。

今月は、去る10月16日(日)日比谷野外音楽堂で開催された琉球フェスティバル2011 です。 

出演
登川誠仁
古謝美差子
加藤登紀子
パーシャクラブ
大島保克
下地勇
よなは徹
サンサナー

司会
ガレッジセール
やっぱり今年も来てしまいました、琉球フェスティバル。ちょっとマンネリかなあ、と思いつつ 毎年新しい発見もあるし、今年は何と言っても加藤登紀子が何をどう歌うのか興味深くて。

今年も司会のガレッジセールしこたまお客さんに飲まされるのかな、可哀想だな、と思っていたら、 今年は酒を勧めるお客さんの数が少なく、二人とも割りと最後まで元気でほっとしました。去年初 舞台で緊張していたらしいサンサナー、遅刻してほとんど聞けませんでしたが、今年はばっ ちり聞きました。可愛くて、元気があって、オープニングにぴったりでしたね。沖縄版キャンディ ーズ(古い!)という感じでした。

次に登場した下地勇には正直なところ、全然期待していなかったのですが、多分今年一番感 動しました。2、3年前に宮古言葉で歌う異色のシンガーという感じで深夜のNHKの番組で取り 上げられていて、その時は素朴で面白い人がいるなあ、と思っただけで歌の印象は全く覚えていませ んでした。でも、今回登場した下地勇は全くの別人でした。テンガロンハットのような帽子を 被り、秋らしい色味のジャケットとパンツをスマートに着こなし、まず見た目がおしゃれ。フラメン コのような曲調のイントロをギターでかき鳴らす姿は本当にカッコよくて、うっとり。。。している と、歌が始まったのですが、これがまんま宮古言葉なんです。意味はもちろん分かりません が、宮古言葉というのは分かります。これがジプシー音楽みたいな曲によく乗り、合うんですね。久 しぶりに、ものすごい個性的で素敵な音楽を聞かせてもらった、と思いました。アルバムを聴いてみ よう、絶対。

叫ぶように歌い、客をねじ伏せていたような下地勇の後に、ソフトに歌い出した大島保克 では、席を立ったり話したりするお客さんが多くて、気の毒でした。私のお気に入りの「流星」をし っとりと歌ってくれたのに、後ろの席のオヤジ達の会話がうるさくて本当に残念。彼はこんなフェス ティバルではなく、落ち着いた感じのライブハウスで聞くべき歌手かもしれませんね。

次に早くも登場した古謝美佐子は、髪の毛が完全に銀髪になっていて、もう神様になったよう でした。アメージング・グレースや童神は聞き飽きた感が無きにしも非ず、ですが、震災の後だから か日々是好日には涙がこぼれました。こういう歌を歌わせたらすごいです、やっぱり。

次のよなは徹パーシャクラブはこのフェスティバルのレギュラー、という感じで、 歌う歌も乗りも例年通り。あ、新良幸人のガンダムみたいなコスチュームにはちょっと驚きました。

赤いドレスで登場した加藤登紀子は、まず「パーマ屋ゆんた」を歌いました。BEGINの曲ですが、 完全に自分のものにしていて、本当にパーマ屋のおばさんに語りかけられているような気がしました。 沖縄のおばさんの言い回しを完全にモノにしていますね。私としては次に西武門(にしんじょう)哀 歌か何か、沖縄っぽい曲を歌ってほしいところでしたが、なぜか大ヒット曲の「百万本のバラ」。ヨ ーロッパの香りのする歌だけど、ま、いいか、何でもありの琉球フェスティバル。

締めは民謡会の巨星登川誠仁。私の初めての琉球フェスティバルでは怒りたくなるほど酔って いたので、いつも今年は大丈夫か、とハラハラするのですが、今年は本当に大丈夫でした。張りのある 声で「トゥバラーマ」を歌っていましたが、弟子の女役の声も頑張っていてよかったです。語りもしっ かりしていて、笑いも取っていたので、今年はほとんどしらふだったのでしょう。

最後は出演者全員が登場しての、カチャーシー。飲んで食べて、踊って手拍子をして、幸せな気分で お開き。マンネリ、と言いながら、やっぱり来年もくるはず。

10/19/09

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