今月のレビュー

このページでは、沖縄関連の本、音楽、コンサート、映画などを論評(レビュー)していきます。
今月は先日やっと読み終えたMathew Allen著のIdentity and Resistance in Okinawa ちゃんぷるー訳:沖縄のアイデンティティーと抵抗)です。

 

これはちゃんぷるー・どっとこむを立ち上げるにあたり、何か沖縄関連本でも読んで勉強 しようと思い、amazon.co.jpの洋書のところでOkinawaで検索した時一番最初に出てきた本です。著作権 の関係で本の表紙をこのページに掲載できないのが残念ですが、沖縄のおばあさんのアップの白黒写真が 印象的なペーパーバックです。

久しぶりに辞書を引きながらじっくりと読みました。オーストラリア人で人類学者の視点から見た沖縄 が丁寧に描かれていますが、特に前段として説明されている沖縄戦の説明は説得力がありました。英語 であるせいか情緒に流されず事実を論理的に書いてあり、それがかえって戦争のすさまじさを伝えてい るし、「そうだったのか」と納得できる部分も多かった。沖縄におけるユタと精神疾患の関係、久米島 に移住した硫黄鳥島の人々のアイデンティティー、久米島と沖縄本島の関係など、これまで知らなかっ たことも多く発見でき、考えさせられた点で有意義でした。

著者は久米島に何年間か暮らし、久米島の習慣や社会を詳しく観察していますが、沖縄本島出身の私か ら見ても発見が沢山あります。特に、沖縄は日本やアメリカに搾取され、虐げられてきたという思いが 少なからずありますが、離島には本島にも増して苦しみがあったのだ、と認識させられました。このと ころいろいろな意味で離島がちょっと気になる私ですが、そのきっかけはこの本だったのかもしれませ ん。 cover

英語力に自信のあるあなた、夏休みに読んでみることをお薦めします。

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