Home>愛さ、沖縄>サイトマップ

[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

95.ナンパ?!

 先日、世田谷区で「組踊 特別鑑賞会」というイベントがありました。しかも無料!!こんな素敵 な企画、行かないわけにはいきません。このイベントは前日にワークショップもあり、これがまた驚 くことに、人間国宝・照喜名 朝一先生の「琉球古典音楽への招待」というもので、抽選で参加でき、 一緒に三線を弾くという催しでした。もちろん、こちらも参加希望。「当たれ〜当たれ〜!!」と念 じて祈って拝んでポストに応募葉書を投函。すると、やはり、神様はいらっしゃるもので、ワークシ ョップが当たったのです!ああ、神様ありがとう!・・・とこの話を始める前に、今回は、この催し に参加した帰り道にナンパされたお話です。
 帰りにバス停でバスを待っていると、「お姉さん、どこで三線習ってるの〜」と、見知らぬおじさ んに声をかけられました。「今は習っていないんです。」とあまり気乗りのしない感じで答えたとこ ろから話は始まりました。おじさんは私の家から歩いて30分くらいのところに住んでいて、川崎駅 の方で野村流の古典音楽を習っている。奥さんと孫が琉球舞踊を習っていて、おじさんは趣味で三線 を修理したり作っている。近所の沖縄料理屋で、よく仲間とのんでいて、与那国島出身。私は「へえ 〜」とか「ふう〜ん」とか「すごいですねえ」とか言いながら、自分の情報は「琉球舞踊を習ってい る」くらいしか言いませんでした。おじさんの話を聞く分には三線も上手そうだったし、「三線壊れ たり、困ったことがあったら連絡しておいで」と言うので、「あの〜、三線教えてはいないのですか ?」と聞くと「教師免許持っていないから教えられないよ。仲間と一緒にみんなで弾いたりするとき に来たらいいよ。明日の組踊鑑賞会の後、仲間と近所の沖縄料理屋で飲むからおいで」と言われたの でした。「うん、このおじさんは怪しくない。うちなんちゅだ」と判断し、次の日、組踊にも古 典にも興味のない主人を連れて飲み会に参加したのでした。
 沖縄料理屋にはおじさんの仲間が7名集っていて、そのうちの一人が三線の先生で、他6名は全員 古典音楽を習っている人々でした。おじさんと古典仲間たちは、18時半から休む間もなく三線を弾 き、宴は続き、私がリクエストすると誰かしらが何でも弾いてくれて、先生が「ここはこう弾くとい い」とか、弾き直したりしながら、私の知らない歌もたくさん歌ってくれました。古典仲間たちも全 員上手で、とてもこんな中で私のへたくそな三線を弾く気にはなれず聴き役に徹していたのですが、 そういうわけにはいかないもので、しぶしぶ「安里屋ゆんた」を先生と弾かせて頂きました・・。主 人は私が久米島の居酒屋で舞台に上がって三線を弾いたりしても、楽しそうに優しくカメラマンをし ているのですが、今回ばかりは私が「場違いだよねえ、みんなうますぎるもん」とつぶやくと「うん、 これは本物だね・・・。どれも同じに聴こえるけど、普通じゃないうまさだな」とうなずいていまし た。「普段から練習しておけばよかった」と痛感しました。
 こうしてめげてはいましたが、三線三昧で、本当に沖縄にいるのかと思うくらい楽しい一日でした。 帰りに「楽しかったです!私も練習しようと思いました。帰ったら三線をケースから出しておきます !」というと「そうそう、いつも手に届くところに置いて弾いてくださいよ」と先生ににこやかにア ドバイスされたものの、三線は今日もまだケースの中・・・。これだから何にも上手にならないんだ よなあ。しかし!おじさんの家が近所でよかった。そして話しかけられやすいタイプでよかった。こ れからは三線持っておじさんのところに遊びに行こうっと。
「いちゃりばちょーでー」いい言葉だ〜!

10/05/11

▲ページトップへ



このページに関するご意見、ご感想はこちらまで

お名前:
メールアドレス:
ご感想:

HOME