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93.江戸上り
ちゃんぷるーのサイトにも掲載されていた「甦る琉球芸能 江戸上り」、琉球舞踊を習う私として
は是非みなければ!と、ポレポレ東中野に行ってきました。
25年前、記念すべき私の初沖縄は船の旅で、当時は42時間かかり(今は何時間かわかりませんが)、
それでも長いと思っていましたが、この江戸上りはいったい何日かかったのだろうか・・・と、気が
遠くなる思いです。鹿児島までの船旅だけでも、海が荒れたらおしまいだし、唐へ行く船と同じよう
にたどり着かなかったり、帰れなかった一行はなかったのだろうかと思いながら観てきました。
この「江戸上り」、私はやはり、舞踊に注目しました。衣装も持ち物も今とは違っていたり、踊り
方も、絵巻にあるような動作と今のものは違うところがあり、時の流れを感じました。琉舞の先生か
ら聞いた話によると、戦前はどの流派も同じような振りだったけれど、戦争で人も物も何もかもなく
なって一から掘り起こしたとのこと。その頃は、流派を越えて、「この踊りは○○先生、あの踊りは
○○先生に習っておいで」という交流があったそうです。その後、次第に流派ごとの踊りに変わって
いき、今に至っているとのことでした。
この「江戸上り」を復元させるって、本当にどうやって?と思ってしまいます。だって、音源はな
いし、振りのあんちょこもないし、絵巻を頼りに中国の楽器から同じような楽器を探し当てたり、大
変な苦労があったと思います。こんなことができるなんて、芸能にたけている人たちは本当にすばら
しい!と拍手喝采です。私はよく先生に「私たちの時代はテープもCDもビデオもなかったのに、あん
たたちは幸せよ。でも、こんなものに頼っているから覚えないんだよ。私はノートに書いて覚えたさ
〜。自分でノートに書きなさい。努力が足りない!」と怒られますが、この時代の人たちはノートも、
書く術もなかったのだから、もっとすごいですよね・・・。保育園で、私は子どもたちに歌の歌詞を
書いて覚えさせることに反対で、私が歌ったあと、子どもたちに歌の中に何が出てきたか聞いたり、
歌の情景を考えさせたりしています。そうすると、子どもはすぐに覚えます。沖縄民謡を教えたとき
も、意味はわからなくても耳で聴いたとおりにそのまますぐに覚えて歌いましたが、大人は同じ歌を
歌詞を見ながら歌い、ついには覚えられない・・・という状態。映像や文字に頼らず、・・身体で覚
えるといつまでも忘れないし、伝承に繋がるのだろうなあと感じました。
江戸上りは、琉球人が珍しくて見せ物のようになっていたわけではなく、琉球の文化はすばらしい
と絶賛され、琉球人は各地でもてなされていたのだなあと、うれしくなりました。
やっぱり、沖縄の昔はいいなあ・・・。タイムマシンがあったら、是非、阿麻和利様の時代と、江戸
上りの時代を覗いてみたい。
12月頃、沖縄でこの江戸上りが上演されるという話を聞き、これは是非行きたいものだ!と意気込
んでいるところです!神様〜!12月、沖縄に行けますように・・・!
8/03/11
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