［ちゃんぷるー・どっとこむ
愛
さ、
沖縄
８８．桜
4月生まれの私は、桜と言えばソメイヨシノを思い浮かべ、お花見も大好きで、とりわけ近所でお
花見をするのがお気に入りです。でも沖縄を愛する私としては、やっぱり沖縄の桜も毎年見ないと
気が済まないのです。一足早い沖縄の桜の季節、今年は「桜をたくさん見よう」と心に決めて、こ
の2月、沖縄に向かったのでした。
那覇空港に到着して「やっぱりこの時期の沖縄は寒い！」と感じながら県庁前で降りると、すぐ
に桜が目に飛び込んできて、その瞬間に疑問がわいたのでした。今の時期、東京では梅が咲き誇っ
てはいるけれど、寒くて春が来たという雰囲気にはならない。でも、沖縄の桜を見ると暖かい季節
という気持ちになる。今日の沖縄は東京と同じくらい寒いのに・・・。沖縄の桜と東京の紅梅と、
同じような色なのになぜこんなに感じ方が違うのだろうか？気温だけのせなのろうか・・・。歩き
ながら目につく桜を眺めて考えていたら、「緑だ」ということに気がつきました。沖縄の桜の背景
には緑がたくさんあって、東京の梅の背景には枯れた枝ばかり。緑の役目は大きいのだ〜！
さて、私がなぜ、今年は沖縄の桜をたくさん見ようと決めたかというと、仕事・プライベート・
沖縄・・・いろいろなことでお世話になっているK先生のお父様を偲ぶ気持ちからなのでした。K先
生のお父様は沖縄の桜前線の研究をして、学会に発表した方ですが、残念ながら、今年の2月、桜が
満開のこの季節にお亡くなりになりました。お父様と、何度かお食事をさせて頂いたときに、原種
のあかばなーのお話や、種が発芽する方法をとても熱心に語ってくださったことを思い出しました。
K先生は根っからのうちなんちゅで、うちなーたいむ保持者ですが、お父様は約束の10分前に到着す
る方で、親子なのにねえ・・・とびっくりしたことも思い出しました。 K先生のお父様の訃報を聞
いて、私はすぐに「あ、桜の季節だ」と頭に浮かんだのです。きっと、沖縄で満開の桜を、空の上
で、北から南へず〜っと見渡したんだろうなあ・・・と。
お父様にお線香をあげようと、K先生のお宅におじゃますると、お庭には満開を少し過ぎた桜の木
の他に、いろいろな花や草木、ピパーチ、アーチになりそうなあかばなー、そのほか私が見たこと
のない花もたくさん茂っていました。まだ増やしている途中の草や、株分けしたばかりの花、心残
りもあっただろうというお庭を歩きながら、「空からずっと、沖縄の自然が壊れないように見守っ
ていてくださいね」と祈りました。
お父様は、ちょうど満開だったお庭の桜とともに、空に昇って行かれたそうです。
3/02/11
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