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70.阿麻和利さま
「護左丸と阿麻和利、どっち派?」と聞くと、「護左丸」と答える人が多い世の中ですが、10
年前にグスク巡りのとりこになって初めて勝連城を訪れたときから、私は勝連城主阿麻和利さまの
大ファンになったのでした。初めは勝連城の姿形・眺めなどから、私の一番のお気に入りのグスク
となったのですが、那覇市民である歴史案内人と一緒に訪れて、「逆賊と言われている阿麻和利だ
が、実は民衆のことを思い、人望の厚い立派な人物だったという説もある」という話を初めて聞い
たときに、なぜか「ふ〜ん、そうなんだ〜」と聞き流すことができず、何か心の中に輝くものがあ
り、阿麻和利さまのことをもっと知りたいと思ったのでした。そう、これが、恋の始まりなのです。
今までも、大好きな阿麻和利さまの勝連城に何度も足を運び、沖縄に初めていく友達には必ず紹
介し、一緒の時には連れて行き「ねっ、ねっ、素敵なお城でしょ〜?」と私の知る限りの阿麻和利
さま情報をべらべらしゃべり続け、グスクに登って景色を見渡し、「ああ、ここから阿麻和利さま
もこうして海を眺めていたのねえ・・・」とひとり物思いにふけっていたのでした。この10年の
間の思いはこのくらいだったのですが、6月から読み始めた「百十踏掲」という本を読んでからは、
もう、こんな程度ではなく、私の心は500年の時を越えて一気に阿麻和利さまの元へと飛んでい
ったのでした。
ストーリーは、「首里の王様の娘(王女)踏揚は、首里王府を無視して独自に村を豊かにしてい
た勝連城主阿麻和利を懐柔するという、政略結婚の犠牲になり、勝連城主阿麻和利の元へ嫁ぐ。阿
麻和利は本当はとてもよい人で、踏揚も幸せに暮らしていたが、王様の側近で王位を狙う金丸の策
略により、阿麻和利は踏揚の祖父にあたる護左丸を倒す羽目になり、その後も、首里に謀反を企て
ているという金丸のでっち上げにより、王府に討たれてしまう」というものです。
私は阿麻和利さまに嫁いでいったこの、「百十踏掲」になった気分で物語に入り込んでしまいまし
た。踏揚は、阿麻和利さまの勝連城で過ごした短い期間、さぞ、幸せだっただろう。いいなあ、い
いなあ・・・。しかし、物語を読み進めていくうちに、踏揚の身の上には悲しいことが次々に起こ
り、私は、飛行機やゆいレール、沖縄マック、ハーゲンダッツ・・・ありとあらゆるところで泣き
ながら読みました。そして、「踏掲、だめよ!その人について行ってはいけない!」とか、「鬼大
城よ、汚いぞ!」とか、「踏掲が、許しても、私は絶対に許さない、この金丸め〜!!!」と、勢
い余って本をパタン!と閉じ、息をふう〜っと吐いたり、本当に物語の中に入り込み、阿麻和利さ
まに恋をしてしまったのでした。
「タイムマシンがあったら、どの時点に戻りたい?」という話になるといつも「高校3年生。で、
進路を決めるときに、保育科を選ばないで、沖縄の大学に行く」と答えている私ですが、今は「5
00年前に行って、阿麻和利さまといつまでも仲良く暮らす」と思っています。
もし、万が一、私が踏掲じゃなかったら?・・・勝連城のそばに住んでいることは、確かだから
(こんなに好きなんだから、絶対住んでいたはず!)、どうにかして阿麻和利さまに、金丸の策略
を伝えてあげたい。だけど、私、絶対に踏掲だったと思う。だって、初めて玉城に行ったときも、
「南部ではこのグスクが一番好き。」って、思ったんだもん。玉城は、踏揚が最期を遂げた場所、
うん、これは間違いない。ああ、500年前に戻って、阿麻和利さまと勝連城でいつまでも幸せに
暮らしたい〜!!阿麻和利さま〜!
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