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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

64.沖縄の種

 先日、6年生になる卒園児の母親から、「学校の行事でエイサーを踊るから見に来てほしい」と いう電話がありました。休みの日はいつも忙しい私ですが、この日はなぜか空いていて、「楽しみ にしています」と返事をしました。連絡をしてきたお母さんは、Mくんが一番前で踊ること、上手 だからみんなの手本に選ばれていることを教えてくれました。Mくんは保育園時代の年長組のエイ サーも上手で、私の踊ったとおりに踊れる子でした。どうしても回る方向がわからなくなる子も いて、教える私もヒートアップしそうになるとMくんに「ねえねえ、○○ちゃんに教えてきてくれ る?」と、バトンタッチしていたくらいだったのです。6年前の保育園のエイサーを思い出し、当 日を楽しみにしていたのですが、なんと、Mくんは、お誘いの電話を頂いた次の日に、柔道のお稽 古で左手を骨折してしまっていたのでした。
 しかし、M君は、一番前で踊ることはできなかったものの「ぼくはどうしてもエイサーを踊りた い!」と、太鼓を持たずに参加。音のとらえ方、足の踏み方、バチさばき・・・太鼓を持たずにこ こまで踊れるということは、太鼓を持っていたら相当上手だな・・・と感心しながら、「M君、上 手だねえ」とつぶやくと、私の後ろで見ていたM君のお父さんが「そりゃそうだよ。マッキーの分 身だからね」と笑っていました。「私の分身かあ・・・そうだったなあ」と、またしみじみ思い出 し、他にも同じ小学校に通っている卒園児が3名踊っていたのですが、みんなが、トイレの順番待 ちや、外へ行くときや、けんかの仲裁・・・いろいろな場面でいつでもどこでもエイサーを踊って いたことを思い出しまし、なんだかとてもうれしい気持ちになりました。そして、骨折してすねな い強い心にも、「踊り」の持つ力にも感動しました。
 そして、先月M君は、私の入っているエイサーの団体に見学に来ました。今年の新宿エイサーで、 一緒に踊れるかなあ〜と、今から楽しみにしています。
 私の蒔いた「沖縄の種」、ぐんぐん伸びろ〜!

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