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寄稿]
愛
さ、
沖縄
55.おくみどり
「大きくなったら○○になりたい・・・」という夢、私は小さい頃からたくさん持っていました。
何をやっても中途半端にできて、その先上達しないというのが私の特徴なので、なりたいものがたく
さんありました。ピアニスト、ピアノの先生、だんご屋、いちご農家、音楽療法士、アロマテラピス
ト、日本茶喫茶店・・・といった具合です。その他理解不能なところでは、もちろん、うちなんちゅ、
そして、イルカに人魚・・・。中学の時には、本気で考えた「茶摘み」というものがありました。
私、お茶が大好きなのです。お茶がないと生きていけないくらいお茶が好き。お茶屋さんの前を通
ると必ず足を止めて香りをいっぱい吸い込みます。主人の実家で注文しているおいしい緑茶が飲みた
いあまりに、普段は猫をかぶっているのに「お茶がほしい」と言ってしまうくらいお茶が好きなので
す。さんぴん茶・麦茶・紅茶・そば茶・ほうじ茶・番茶・・・何でも好きなのですが、やっぱり緑茶
が大好きです。だから、中学生の頃の私は「大きくなったら静岡で茶摘みになりたい」と真剣に考え
たことがありました。なぜ静岡かというと、海があるお茶の名産地だからです。かわいい絣の着物で
手ぬぐいをかぶって、「茶摘み」のうたを歌い、海を眺めながら、段々畑でお茶を摘む・・・ああ、
なんて素敵なんでしょう〜!おいしいお茶が毎日飲み放題!茶摘みになりた〜い!・・・しかし、私
は毎日レギュラー選手でもないソフトボール部の厳しい練習というか特訓に追われ、そのうち受験が
やってきて、高校では毎日バイトに励み、茶摘みになりたい熱い思いはただの夢となり、いつかやっ
てみたい・・・という希望に変わり、現在に至っています。
そんな「茶摘み」への思いを復活させたのがやんばるでした。やんばるにはお茶畑があるんだ、行
ってみたい!そして、やんばるのお茶畑を見て、「お〜!沖縄に住みたい夢と、茶摘みの夢が一度に
叶う土地!ここだ!ここに決めた!」と、すぐにその気になる私はいろいろ考えを巡らせました。那
覇まで何分かかるか、住宅事情はどうか、海岸はどんなか、働く場所はあるのか。考えたら住めない
場所だということはすぐにわかったのですが、どうしてもやんばるの「おくみどり」というお茶を飲
んでみたくなり、共同売店で購入。家に帰り、まだ結婚していなかったので母親とわくわくしながら
「おくみどり」の封を切り、急須に茶葉を入れ、湯を注ぎ、感動の瞬間を期待して飲んでみました。
一口飲んで、私と母は無言で顔を見合わせました。母は明らかに遠慮していて「大好きな沖縄のお茶
が、まずい・・・なんて言ったら、この子は怒るに違いない」という言葉が顔に書いてありました。
私はこの薄い味と期待しすぎた私の気持ちがおかしくなり、くすくす笑いながら「なんか、薄いね・
・・」というと、「そうね・・・」と母。私は「きっと、寒暖の差がなさ過ぎてあまり濃い味になら
ないんだろうね」とか、勝手に理由をつけ、「おくみどり」の封を閉じ、戸棚の奥にしまいました。
それから約4年後、今度は「山城茶」を、購入。「おくみどり」の時の思い出がよみがえり、飲ん
でみたらやっぱり同じでした。そして、それから2年後、今度は「琉球紅茶」という紅茶を飲みまし
た。これも、やはり同じリアクションでした。
沖縄で「茶摘み」の夢は消えましたが、まだまだやりたいこと、なりたいものがたくさんある41
歳です。
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