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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

46.宗計おじちゃん

 宗計おじちゃんは母の妹の旦那様です。幼少の頃の私は「髪の毛がもじゃもじゃで、おもしろい字 を書くおじさん。おもしろい!」と、とても気になっていました。海外や北海道に住んでいたので滅 多に会うこともなかったのですが、大好きでした。13年ほど前に私が障害児の担当になり、悩んで いたときに、障害者の関係の仕事をしている宗計おじちゃんに相談してから、とても近くに感じるよ うになりました。それでも、私は宗計おじちゃんがうちなんちゅだということを10年くらい前までし らなかったのです。
 私が結婚する前の年に祖母や母と一緒に宗計おじちゃんの家に遊びに行き、叔母のことをとても大 切にしている姿に感動したり、沖縄のことをたくさん話しました。私が沖縄のことをよく知っている ことにびっくりして「今度是非一緒に沖縄に行って案内してもらわなくては」と、言っていました。 わたしはその日がくるのをとても楽しみにしていましたが、宗計おじちゃんは病気と闘っているとこ ろだったのです。
 1年後、結婚式の招待状を送ると、そこに載せた「だんじゅかりゆし」の歌詞を見て「小さい頃父 が歌っていて懐かしいなあ。結婚式で歌ってあげよう」と、病気で苦しいのに披露宴で素敵な歌声で お祝いしてくれました。友達からも親戚からもみんなに「あのおじさん、素敵だね。ダンディだね。」 と褒められました。私はお礼に「だんじゅかりゆし」を三線で弾いてあげようと思っていましたが、 それから1年後の、去年の10月、宗計おじちゃんは天国に行ってしまいました。
 その知らせを早朝に聞いた私は泣きながら、うとうと眠ってしまいました。すると、夢に宗計おじ ちゃんが現われたのです。白い砂浜に叔母が座っていて、私と宗計おじちゃんが手をつないでおばの ところに行く夢でした。宗計おじちゃんは、天国に行く途中に私の所に寄って、一緒に沖縄に行った んだ。約束したから・・・。宗計おじちゃんは私の心の中に生きている。会えないわけじゃない。 「その人を思ったり、考えたとき、大切な人は、こうして心の中に来てくれるんだ」と実感しました。
 こじんまりとしたお別れの会に参列すると、叔母が「彼の好きだった『誕生日の朝』をうたいまし ょう」と、みんなで宗計おじちゃんを囲んで歌った、素敵な歌を載せます。

「誕生日の朝」

あなたの生まれたこの日を祝い みんなで窓辺にあつまりました
むかしの人の習いを忍んで 歌をおくります 夜明けとともに
新しい年に 愛の光が あなたの心に輝くように

私たちの愛を歌にのせて あなたの窓辺に今おくります
つぼみの花も 小鳥も 目覚めて 歌声とともにおいわいします
新しい年に 愛の光が あなたの心に輝くように

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