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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

44.タクシーのおじさん 1

 「沖縄のタクシーは親切」というのが、20年前の沖縄の合い言葉のようでした。空港に着くとすぐ にタクシー。ホテルを出るとすぐにタクシー。「どこいくの?おじさんのタクシーで行こうね〜」と気 さくな運転手さん。「本当だ!沖縄のタクシーは親切だ!」と実感したものです。
 私は友達と5人で観光タクシーに乗り込み、台風の目の中にすっぽり入っている沖縄本島を北上。ど うしても海で泳ぎたいと言うと「じゃあ、伊計島に行こうね〜」と、台風の影響がない伊計ビーチに連 れて行ってくれました。タクシーのおじさんは58号の町並みや、看板、米軍基地・・・といろいろ説明 してくれてそのたびに自分の生活との違いを感じたものでした。おじさんは急にタクシーを止めて「ち ょっと待っててね〜。」と小さい共同売店に入っていきました。そして、私たちにコーヒー牛乳とパン を一人一つずつ買ってきてくれたのです。私は、なんだかとても感動してしまいました。
 伊計島に着くとおじさんはビーチにいた管理人さんみたいなおじさんやおばさんの所へ行き、私たち が遊んでいる間ずっとゆんたくを楽しんでいましたが、私はここで初めてうちなーぐちを聞いたのです。 私の頭の中は「?」がいっぱいでした。おじさんもおばさんも何をしゃべっているのか全くわからない のです。どこの国の言葉?「めんそーれ」とかそんな言葉ではなく全く知らない国の言葉だったのです。
 帰りに私は「ねえねえ、おじさん。さっきおしゃべりしていたでしょ?何話していたの?全然わから なかった」と聞くと「沖縄の方言だよ」と教えてくれました。そして「おじさんはね、沖縄の言葉と、 日本語と、英語もしゃべれるさ〜。アイスワーラー!コーヒーシャープ!ね?すごいだろう〜!」・・ ・「なんだ、そりゃ???」と考えていると「冷たい水はアイスワーラー。喫茶店はコーヒーシャープ」 と、とても誇らしげでした。私はこれにも感動して、「沖縄ってすごい!タクシーの運ちゃんもすごい !」とびっくりしたのでした。
 「また沖縄に来たら、おじさんに電話してね。」と名刺をくれたおじさん。私は「今度、沖縄に来た ら、またこのおじさんのタクシーに乗ろう」と心に決めたのでした。でも、次には次の優しいおじさん が「どこまで行くの〜?おじさんのタクシーで行こうね〜」と、空港やホテルで待っていたのでした。

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