Home>愛さ、沖縄>サイトマップ

[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

41.ゆっくり

 海外在住の友達が久しぶりに帰国するとき「日本は安全じゃないよ。もう、昔の日本じゃない。」と 忠告したことがあります。5年前、もう確かに日本は治安のよい国ではなくなってしまったと私は感じ ていました。
 毎日毎日暗いニュースが流れる度に「この人の小さい頃はどんなだったのだろうか?親はどんな接し 方をしていたのだろうか?」と考えずにはいられないのです。私の幼少の頃はもう、日本は豊かな国に なりかけていたので、東京生まれで川崎育ちの私の周りは贅沢病が蔓延していました。贅沢病、ぐんぐ ん進んだIT化や、便利すぎる世の中、働き過ぎ・・・そんな暮らしを送ってきた人々がなぜ田舎暮らし に憧れるかというと、これらのことから離れて、自然を感じながら古き良き日本を取り戻したいからで、 沖縄ブームもその一つなのだと思います。「人間の優しさ」「おおらかさ」「あふれる自然」「優しさ =厳しさ」「年配者との関わり」「お年寄りを敬う気持ち」・・・などなど、取り戻したい生活がそこ にあるからなのです。
 でも今の沖縄はその魅力を少しずつ失いかけているのではないかと思います。天久新都心、北谷、国 際通りの観光化、市場の高額化・・・都会化した沖縄で人の心も変わってきたと思います。例えばゆい レール。始めのころは若者は立っていておばあに席を譲る姿をしょっちゅう見かけました。「お〜!さ すが沖縄!」と感動したことを覚えています。それが、今のゆいレールの中はというと、学生もだらり んと足を広げて座り、立っているお年寄りがいても席を変わろうとしない、子どもが我先に座る・・・。 何年か前に、お墓の前でけんかをして人を殺したという事件があったと思いますが、あのとき私は「沖 縄なのに?先祖を大切にする唯一の県なのに?いや〜ひどい!君は絶対呪われるぞ。刑が軽くても絶対 先祖が許すわけないだろう。ばかもの!」と悲しい気持ちになりました。
 でも、沖縄を沖縄でなくしているのは、やっぱり、私たちやまとんちゅなのかもしれないと、いつも 不安になります。私たちの迷惑な行動、常識のない遊び方、自然と共存できない姿勢、それが定着して しまったり、大和の企業が心ない開発を進めているケースもたくさんあるようです。
 暗いニュースの続く毎日ですが、沖縄でも東京でもどこでも、のんびり季節を感じて、働きすぎない 便利すぎない世の中で生きていきたいなぁと思う今日この頃です。昔の沖縄を見習って・・・。

▲ページトップへ



このページに関するご意見、ご感想はこちらまで

お名前:
メールアドレス:
ご感想:

HOME