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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

39.慣れって怖い

 世田谷生まれの世田谷育ち、田舎は世田谷区経堂で、夏休みと冬休みに友達が「田舎のおばあちゃん ちに行くんだ〜」とウキウキしているのを見て「いいなあ・・・田舎って。どんな所なんだろう」と小 さい頃は友達のことを羨ましく思っていた私でした。それが今では職場で、「田舎住まいのまきこ先生」 というレッテルを貼られているのです。通勤しやすいように世田谷に住んでいる人が多いので、多摩川 よりも山の方にすんでいる人は「川向こうの人」と呼ばれています。川向こうは世田谷より気温も低い ので田舎扱いも仕方がありません。
 そんな川向こうに引っ越してきたのは11歳の頃でした。家族と何度も通ったことのある川向こうの景 色を電車や車の車窓から「山だなあ。」と感心していたのですぐに「山の家だ!」と思いました。小学 校では、近所の山に住んでいる野ウサギが迷い込んできたから・・・とその野ウサギを飼い始めたり、 山育ちのためかみんな走るのが速かったりと、びっくりすることだらけでした。結婚するまでずっと川 向こうに住んでいたわけではなく、途中、通勤に便利な世田谷区内でアパート暮らしをしたり、また川 向こうに戻ってきましたが今度は富士山が見えるということ以外はそれほど自然を感じる環境ではない 場所で両親と暮らし、田舎にどっぷりつかることなくすごしていました。だから、沖縄の海、山、星を 目にすると、沖縄っていいなあと思っていました。
 1年半前に結婚してからの私の家は、実家と同じ駅で反対方向に歩いていく場所にあるのですが、本当 に自然がいっぱいで楽しい毎日です。家の前の小さい森にはウグイスが鳴き、庭にはどこからか飛んで きた花が咲き、山桜も満開です。狸が歩いていたり、キツツキを目撃したり、フクロウの声を聞いたこ ともあります。こんなにすばらしい自然の中にずっといると贅沢な悩みも出てくるもので、鳥の声で朝 4時前に目が覚めてしまい「あ〜もう!!うるさ〜い!!」と、がばっと起きたり、夏にはひぐらしの声 がうるさくて夜中2時半ごろ「眠れないよぅ・・・」と泣いたり。自然の中に暮らしていると、その環境 が当たり前のこととなってしまい、自然をすばらしいと感じる心が薄れてくるのかもしれません。沖縄 の人も目の前にあるきれいな海、生い茂る熱帯植物、波の音、風の音、満天の星空・・・それが当たり 前すぎて大切にしようと思えなくなっているのではないでしょうか?
 自然を感じる心をいつまでも持ち続けたいなあと思う今日この頃です。

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