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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

38.カフェ

 「いい観光コース教えてあげるよ」と、沖縄に旅行に行く友達に事細かく情報を提供する私ですが、 決まって「そんなにたくさんまわれないよ〜。しかも食べたりお茶するところが多すぎる!」と言わ れてしまいます。食べるの大好き人間なわけではないのですが、カフェが大好きなのです。はじめは 雑誌にも掲載されているような有名なカフェから足を踏み入れ、次第にドライブ中や散歩中にちらっ と見かけたカフェに入るようになり、そんな私だけしか知らない秘密のカフェが自慢になりました。 雑誌にも載らない場所なので私の他にはお客さんは誰もいない。だから窓から見える海は全部私の物 ・・・という沖縄満喫度100%!眺めがよく静かでぼーっとできる空間、素敵なカフェを探すことが 楽しくなり、やんばる、本部、南部を小さな看板を目印にドライブすることが多くなりました。「お っ!看板発見!そこ曲がって!」と言われた運転手は「え〜!こんな所に本当にあるかなあ?なんか 怪しい山道じゃん。」と半信半疑。看板が現れてから到着するまでにはものすごく長い道のりのこと が多く、必ず「もう引き返さない?」と弱音を吐きます。「いやいや必ずカフェは現れるのだ。この ままGO!」という私にだんだんむっとしてくるのは仕方がないことですが、そんなことに負けていて は素敵なカフェは見つけられないのです。こんな感じで車を進め、目的のカフェに到着したときはと てもうれしい気分になります。果たして同行者が私と同じようにうれしい気持ちになっているかは疑 問ですが・・・。
 でも、最近は少しカフェに疑問を抱いてもいます。沖縄ブームに乗ってどんどんカフェが建ち並び、 「素敵なカフェだなあ。おしゃれだなあ」なんて思って入ってみると、オーナーが地元の人ではなか ったり、東京の大手会社のようなところが出資していたり、山の中を切り開いていたり・・・。ちょ うど半年前に山道をずんずんドライブした末に見つけたレストランで、お店の方に「お味はいかがで したか?」と話しかけられたので少しおしゃべりをしました。店内にはお客さんもいなくて、看板も わかりずらかったので「一日にお客さんは何人くらいいらっしゃるのですか」と聞くと「まだオープ ンして2週間なのでぼちぼちです。でもこの敷地内にプチホテルを建てる予定で、近くを流れる滝ま で散策できる遊歩道を作る計画です。」とのこと。こりゃいかんと思った私は思わず「そうですかぁ ・・・。私は沖縄が大好きで月に1度のペースできています。沖縄は自然が豊かなところがいいとこ ろです。だから、寝具の洗濯や滝への散策路作りなどは自然を破壊しない配慮をしてほしいです。ぜ ひとも、その辺を考慮してくださいね。」と言いました。半年たってこのレストランはどうなったか、 2週間後に偵察してみようかと思います。とか言いながら、新しいカフェの看板を見つけて「おっ! そこ曲がって!」と言っているような気もしますが・・・。
 そうそう、カフェ好きは血筋のようで、弟の家に行ったら「東京近郊のカフェ」とかいう本があり、 ぺらぺらとめくると私が行ったことのあるカフェが載っていました。「ここ、行ってみたい」と思っ ているカフェまで同じでした。弟の夢は「偏屈な珈琲屋になること」で、近所の商店のおじさんと仲 良くなって、店を譲ってもらえないかとか、まずは近所でコーヒーの屋台から始めてみようかとか、 くだらないことばかりを言っていますがかなり本気で「偏屈な珈琲屋」を夢見ているらしく、カフェの 本の隣には「起業の成功者と敗北者」というような題の本が並んでいて、「なんだこりゃ?」と言う と、「俺は本気なんだ!」と言っていました。
 弟を始め、これからカフェを開こうとしているみなさん、そこが沖縄でも、そうではなくても、環 境を破壊しない場所にそっとカフェを作ってください。

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