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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

37.前世

 今は亡き景山民夫氏の「ティンカーベルメモリー」という本を先日読み、前世について考えました。 主人公は前世のソウルメイトを知り、前向きに生きていくお話です。前世のことに関する場所や物な どにぴーんと来るらしいです。私の前世って・・・?どんなことしていたのだろう、どこに住んでい たのだろう、男性?女性?・・・考えたといって私のことですからもちろん答えはただ一つ、「沖縄 に住んでいた」です。
 実は本を読むずっと前から「私は前世、絶対にうちなんちゅだったにちがいない」と確信していた のですが(勝手にそうだと思いこんでいただけですが)、今は「やっぱりね〜、そうだと思った〜」 という感じで前世のことを考えています。小さい頃から我が家の夏の家族旅行はぼろぼろの民宿に泊 まる千葉、茨城、伊豆の旅だけでした。それでも私は、海が大好きで、椰子の木の陰が伸びる白いビ ーチややビーチサイドに止まるピンクのオープンカーの写真になぜか心惹かれていました。それから しばらくして姉が沖縄へ行き、ムーンビーチの写真を見せてくれたとき「私は絶対沖縄に行く」と決 めたのでした。
 沖縄のすべてに心が揺れ、なぜ好きなのかと聞かれても困るくらい好きで、離れていても沖縄の夏 のまぶしさや、雨のしっとり加減や、うりずんのさわやかさや、夜の暖かさがちゃんとわかるのです。 そんな私は、いったい誰だったのだろう?どんな時代に生きていて、どんな仕事をしていたのかしら? 沖縄戦にも目を背けずに知ろうと思い、紅型の模様を見るととても心が穏やかになり、さんしんの音 色に安らぎ、波打ち際でぼーっとすることが好きで、目をつぶると浮かぶ景色は赤瓦の家並みだけど、 島ではない感じ。私は誰だったのかなあ?まあ、とにかく私は前世沖縄に住んでいたということに、 自分の中では納得しているのでした。
 前世で住んでいたと確信していても、私は、今も沖縄に住みたいのです。

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