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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

31.島がらさー

 都会のカラスはゴミをあさったり人を襲ったりいたずらをしたり・・・とちょっと迷惑な存在です。 保育園の散歩でこどもたちが「わ〜!からすだからすだ〜!にげろ〜」と言うと私は必ず「そんなこ と言ったらカラスさんがかわいそうでしょ。カラスは昔は森や山に住んでいて木の実を食べて暮らし ていたのに、みんなのおうちが建って、電車が走ってバスや車が走って山がなくなっちゃってごはん もおうちもなくなっちゃったんだよ。かわいそうなんだよ。だから、こわいこわいっていわないのよ。」 と力説していました。都会のカラスはカラスなりに試練を越えてがんばっているのだ、私たちがカラ スを悪者にしてしまったのだ、人間が反省しなければならんのだ〜!と。
 しかし、そうも言っていられないのが現状です。遠足のお弁当をつつかれそうになったり、後ろか らキックされたり・・・江ノ島に行ったときに、貝拾いをする袋をリュック置き場に取りに行った子 どもが「マッキー!たすけてえ〜」と半べそで叫ぶので振り向くと3人のこどもたちの回りをカラス が10羽ほどで取り囲んでいるではありませんか!私は「じっとして!動いちゃだめよ。今すぐ行くか らね」と、現場へ走りカラスを撃退。いやあ、都会のカラスは本当に怖いかも・・・。でも、うちの 近所のカラスはちっともゴミをあさらないし森の中に住んでいるからか鳴き声までのどかに聞こえま す。(私の家は新宿まで30分ですが軽井沢や八ヶ岳を連想できるような所です)やっぱりカラスは 「まあるい目をしたいい子だよ」なんだよなあ。自然よ、戻れ〜!カラスは何にも悪くないのだ!!!
 ところが、先日渡嘉敷島に行ったときのことです。ビーチに荷物を置きシュノーケルを2時間少々 楽しみ、3メートル位潜ってはゴミを拾ったり、水中でバク転の練習をしたりさんざん遊んだあと荷 物を置いたところに戻ってみたら、私のビーサンがない!「え〜ん、帰れないじゃ〜ん。ビーサン買 うのやだ〜!」と叫びつつ、薄々犯人はわかっていました。そして、落ち着いて辺りを見回すと・・ スーパーの袋の穴の空き具合、バッグの荒らし方、お菓子の入った袋を盗む・・・やっぱりあいつだ! 渡嘉敷島のがらさーだ!まさか、沖縄の島でカラスの被害に遭うなんて、私はショックを隠しきれま せんでした。一緒に行った友達がなんて思うだろうか、島の素敵なところを、私の大好きな沖縄を堪 能してほしかったのに都会と同じカラスの被害に遭うなんて、恥ずかしい!と、悲しくなりました。 でも、友達はそれどころではなく下着を入れていたスーパーの袋をバッグから出されてつつかれてい て「やだ〜!中身も持って行かれていたらどうしよう。こわくて確認できない〜」とどきどきしてい ました。幸い、下着は無事で、近くに飴の袋を破った形跡があり、犯人はお菓子だけを持って行った 様子でした。私はしばらく呆然とし、「島のカラスなのに、島のカラスなのに・・・」と動揺を隠し きれませんでした。
 沖縄への移住者が後を絶たない時代、都会のカラスも島に移住したのか?カラスさん、都会での生 活と同じことをしなくてもいいんだよ。ここには食べるものが自然の中にあるでしょう?土地の習慣 に従って自然と共に生活しよう、せっかく沖縄に移住したんだから。
 移住者よ、大好きな沖縄を荒らさないでおくれ〜。

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