［ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

愛 (カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

３０．それでこそ沖縄！

　初めての沖縄で、私たち若者を乗せたタクシーの運転手さんが「沖縄の看板は屋根に直に店の名前を 書くんだよ。看板が台風で飛ばされないようにね。」と教えてくれて私は「へえ〜なるほどねえ〜」と 、心底から感心しました。あれから20年、沖縄に台風が来なくなったのか（来ています）、看板の強度 が増したのか、58号沿いの看板は直に書いたものはとても少なくなりました。文明の利器はすばらしい けれど、何か物足りない気がしながら運転をしている今日この頃、先日今年7回目の沖縄で久しぶりにや んばるツアーに参加した私は、とても貴重な昔の沖縄に出会ってしまったのです。

北部の共同売店で、ちょろちょろと「なにか沖縄らしいものがないかなあ」と見回してみると、おっ と！ワゴンの中に「サンニンロール」という文字を発見！それは小さくて一人分くらいのロールケーキ でした。このローカルな商品、買わなければ！と手に取るとなんと昔の沖縄発見。期限切れではありま せんか！さすが沖縄の共同売店。こんな出会いを私は待っていたのだ！やんばる探検の隊長は「大丈夫 さ〜さんにんは防虫効果があるからねえ〜。ははは」と言っていましたが、これから山の奥深くトイレ もないところへ足を踏み入れる身としては、ここで11日も期限の切れた食品を食べるわけにはいかない ・・・と断念。でも、どうしてもあきらめきれず帰りならおなかが痛くなってもいいから買うことにし ました。

　そして帰りにまた共同売店へ寄ると期限切れではないサンニンロールが4つ置いてありすこしがっかり。 きっと、私がうれしさのあまり「あっ！これ期限切れだ！おっ！11日もだ〜！すごーい！昔の沖縄はこ うだったよねえ。なつかし〜い！」とひそひそ声がひそひそ声でなくなり、お店のおばさんに聞こえて しまったのが原因のような気がして、残念でたまりませんでした。でも、なんとなく期限切れではない ものがおなかに入る安心感もありました。やはりもう24時間営業の鮮度のよいお店に慣れてしまったの ですね。
　次の日は渡嘉敷島へ。那覇から母親のそば屋を手伝いに来ているおばさんが甥に頼んだ買い物をチェ ックし、「これ、どう思う？島にはこんなものしかないけど痛んでいたら買わんでもいいさ〜。はあ、 那覇だったら鮮度のいいものいつでも手にはいるのにねえ。まったく」とぼやいていました。那覇や天 久はとっても都会で、すーじ小を意図的に歩いたりしなければ沖縄らしさを感じることが難しいくらい 、便利な場所です。便利な世の中に慣れてしまった自分自身にも、沖縄にもすこしがっかり・・・。次 回も沖縄らしい期限切れ見つけるぞ！

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