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[ちゃんぷるー・どっとこむ
応援団
寄稿]
愛
さ、
沖縄
28.映画『海流』を観て
「昭和30年頃の沖縄の貴重な映像が見られる」と、稲福先生に「海流」の話を伺い、早速観てみまし
た。まず、中に入ると「くゎっちーさびら」にもありましたが、席にはうちなんちゅのおじい、おばあ
しかいません。もちろん観光客は私しかいなかったと思われます。映画が始まり守礼門や町並みが出て
くると観客が一斉に「はあ〜。なつかしい」というため息をつき、こそこそと「あそこに〜があった」
というようなことを話し出し、それを聞いている私は「いいなあ、昔の沖縄を知っていて」とうらやま
しくなるのでした。
私の沖縄は20年前からのことなのです。北谷や天久が「ここはいったいどこなんだ?!」とびっくり
するような街になってからしか沖縄を知らない人たちに比べると、「いやあ、昔の沖縄は沖縄って感じ
だった」とか訳のわからないことを言いそうになりますが、復帰前はもっと、沖縄だったのかと思うと
大好きな沖縄をすべて知りたい私はため息が出てしまうのです。
映画館を出て、歩き出すと営業しているのかしていないのかわからない古びた看板を下げて建ち並ぶ
スナックや、もうずっと前に閉店したパチンコ屋さんを目にして「あら?映画の中にタイムスリップ?
」と不思議な感覚でした。昔の沖縄ってどんなだったんだろう?国際通りはおみやげ屋さん通りじゃな
かったんだろうし、平和通りは20年前だってこんなに観光化されていなかったし・・・いいなあ、沖縄
の昔を知っている人たち、いいなあ沖縄、住みたいなあ・・・と考えながらたんぽぽ(沖縄でお世話に
なっている、行きつけのスナック)に向かったのでした。
いいなあいいなあとばかり思っている私ですが、「くゎっちーさびら」を読んで、「沖縄には戦ぬ世、
あみりかー世があるんだから、それを知らない私たち観光客が、沖縄いいよねえ〜、住みたいよね〜と
土足でどかどか踏み込んではいけないんだった。だから私は好きで好きでたまらない沖縄に住めないん
だった」ということを思い出したのでした。もっともっと沖縄を知りたい。そう思う「海流」でした。
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