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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

124.髪は長い友達

 琉球舞踊を始めてから髪の毛を伸ばし続けていた私、7年もの間に、胸くらいの長さだった髪の毛がお尻あたりまでの長さになりました。いや〜、本当に長くて長くて、食事時はもちろんのこと、ちょっと奥の物を取ろうとする時も、トイレに行くにも、本当に何をするにも邪魔になる長い髪の毛・・・。斜めがけのバッグのファスナーの開閉も、髪の毛が引っかかり大変だったのです。長く伸ばしていると当然傷むし、でも、切ったら伸びないし・・・。そこでちょっと高額でしたがつげの櫛を購入してお手入れをすることにしました。2〜3日に1度は、椿油を少量つけてブラッシングも始めると、効果覿面!初対面の人に「まあ、きれいに伸ばしていらっしゃるわねえ。素敵ねえ」とほめられるのです!調子に乗ってつげの櫛と椿油を、いろんな人にすすめてみました。
 そんなある日、琉球舞踊の先生から「まきちゃん、髪の毛大分伸びたから、かつらを作りなさい。年をとると髪の毛のつやもなくなるし、伸びないから、今作っておきなさい。70cmね。」と言われました。本当は一本一本丁寧にそぎながら切り、一つに束ねるのですが、今は沖縄でも、かつらを作るための「そぎ切り」ができる人が少ないので、内地で切りなさいというお達しが出たのでした。でも、美容院に行って相談して、70cmにならないようなら切ってはだめだということでした。
 さて、髪の毛を洗うのにも乾かすにも、何をするにも手間がかかり、「切りたい〜!!!」と思っていた私ですが、いざ、切っていいとなると、やはり寂しいものでした。でも、6月頃までには結べるようにしなさいという補足付だったので、先生から切るように言われてすぐに行きつけの美容院に予約を入れました。美容院には「かつらを作りたいので、70cmカットして、それをまとめて持ち帰りたい」という説明をしておきました。
 予約を入れてからカット当日まで2日間。何年も伸ばしてきた髪の毛にさよならをするのはとてもやりきれない気持ちで、最後の最後までつげの櫛と椿油できれいにしながら、「長いことありがとう」と言いながら髪の毛をとかしました。そしていよいよ美容院へ。行く前にシャンプーをしてきれいにして、美容院の扉を開けると、美容師のお兄さんの深刻な顔。「こんにちは〜」といつものように入ってもお兄さんはにこりともしません。「なんか、面倒なこと頼んじゃったからかなあ」と思っていたら、「かつら=抗がん剤治療」という図が思い浮かんでしまったとのこと。悪いことをしてしまったなあ。そんなお兄さんと、どうしたら70cm残せるか、髪の毛をばらばらにならないように持ち帰れるか、カット後のヘアスタイルはどうするか・・・と30分くらい考え、切る段階に入りました。まずは、髪の毛を一つに結び、2センチくらい下でもう一つ結び、そこにスプレーをかけてゴムを固めます。次に結び目と結び目の間をはさみで切る・・・という工程です。この、はさみで切るというのは、お相撲さんの断髪式を思い浮かべていただくとわかると思いますが、はさみは少しずつしか入れられず、はさみを一つ入れるごとに涙がじわっとくるのです。そして、切った髪の毛を見て「本当に長い間お世話になりました」という気持ちになったのでした。そして、切った髪の毛を触り、「髪の毛は生きている!」と実感したのでした。
 この髪の毛を沖縄に持って行き、「かつら」が完成!かつら屋さんで「内地からわざわざ来たんだから負けてあげるよ」と、1500円も引いてくれて、めでたく私の髪の毛は生きております。そして、ショートカットになった私も、今のところ好評で、「かわいいね」と言ってもらえています。しかし、先生だけは「まきちゃん、かわいいさ〜、似合ってるねえ、切りすぎだけど。」と難色を示していました・・・。もう40代後半だから、これから髪の毛を伸ばすのは大変だけど、わかめとかのりとかたくさん食べて、また伸ばします!何年かかるかな〜!

3/16/14

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